軍用時計のデザインはなぜ似る? ミルスペックとMWC W10
軍用時計を見比べると、メーカーが違っていても文字盤やケース、針などがよく似ていることがあります。それには理由があります。軍用時計は、メーカーが自由にデザインするだけではなく、軍が求める仕様に沿って作られてきたからです。
このページでは、軍用時計のデザインとミルスペックの関係、そして復刻モデルでMWCがどのように個性を加えているのかをW10を例にご紹介します。
同じ任務、同じ目的、同じ仕様を満たそうとすれば、異なるメーカーが製造しても時計のデザインは自然と近づいていきます。そこに軍用時計ならではの普遍的なデザインが生まれました。
ファッションも時計も、過去のデザインを受け継いでいる
洋服の世界では、過去のアーカイブからデザインのヒントを得て、現代の素材やシルエットにアレンジすることがあります。
1930年代から1960年代など、過去のファッションを調べることで、現在のデザインにつながる要素を見つけることができます。
時計も同じように過去のデザインを受け継いでいますが、軍用時計には一般的なファッションとは少し違う背景があります。
軍用時計には「ミルスペック」がある
軍用時計では、軍が必要とする仕様に基づいて時計が製造されてきました。
ムーブメント、ケースの寸法、文字盤、マーキングなど、さまざまな条件が定められ、それを満たす時計が納入されます。
つまりメーカーが違っていても、同じ仕様を満たすことを目的に作れば、完成する時計の姿も自然と似たものになります。
求められる精度や機能など、用途に応じた条件が設定されます。
装備として使いやすいサイズや構造など、細かな仕様が設定される場合があります。
視認性や管理のため、文字盤やケースに必要な表示・刻印が求められます。
復刻モデルも、元になった軍用時計に近い姿になる
過去の軍用時計をモチーフにした復刻モデルでも、基本的な考え方は同じです。
元になった時計の文字盤、ケース、針、サイズ感などを受け継げば、当然ながらオリジナルに近い姿になります。
そのうえで、各メーカーが細かなデザイン変更や現代的な仕様を加えることで、それぞれの個性が生まれます。
MWC W10と、オリジナル軍用時計を比較
元の記事ではMWCのW10と、Hamilton、Smithsの軍用時計を比較しています。
全体の雰囲気は共通していますが、細部を見るとそれぞれに違いがあります。
英国軍用時計のスタイルを受け継ぎながら、MWC独自のディテールを取り入れたモデルです。
元記事で比較されているオリジナル軍用時計のひとつです。
同じ軍用時計の系譜にあり、共通するデザインを見ることができます。
MWC W10は、細部に独自のアレンジを加えている
12時位置のデザイン
元記事で比較されているHamiltonやSmithsでは、12時位置に三角形のマークが見られます。一方、MWCでは数字の「12」を配置しています。
やや長めの円筒形リューズ
MWCのW10では、元記事の比較対象よりもやや長く、円筒形に見えるリューズが採用されています。こうした小さな違いが、MWCらしい表情につながっています。
復刻とは「完全に同じものを作る」ことだけではありません
歴史的な軍用時計の基本的なスタイルを受け継ぎながら、現代の時計として使いやすくしたり、メーカー独自のデザインを加えたりする。MWCの復刻モデルを見る面白さは、そうした「同じ部分」と「違う部分」の両方にあります。
普遍的なデザインには理由がある
軍用時計の文字盤がシンプルなのも、大きな数字が使われているのも、装飾を抑えたケースが多いのも、元を辿れば実用性から生まれたものです。
必要な機能を突き詰めた結果として生まれたデザインだからこそ、何十年経っても古く見えにくく、現在の腕時計としても使いやすい。
MWCが過去の軍用時計を題材に多くのモデルを作っている理由も、こうした軍用時計の普遍的な魅力にあります。
W10と軍用時計をもっと知る
軍用時計は、細部を比べるともっと面白い。
同じ軍用時計の系譜にあるモデルでも、文字盤、ケース、リューズ、サイズなど細部には違いがあります。MWCのモデル選びで迷った場合は、店主までお気軽にご相談ください。